2018年有馬記念に出走を予定している馬を、独自の目線で評価する。馬券の参考や応援など、より有馬記念を楽しむための一助になれば幸いである。

 今回は現役最強障害馬オジュウチョウサンを評価する。

 ※有馬記念出走予定馬と予想オッズ
https://race.netkeiba.com/?pid=race_old&id=c201806050811

 ※有馬記念出走決定順
http://www.jra.go.jp/keiba/tokubetsu/pdf/2018/arima.pdf

 

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2018有馬記念出走予定馬オジュウチョウサンの戦歴

最強障害馬は苦難のスタート

 現役最強障害馬のデビューは、苦難の連続であった。

 全兄にラジオNIKKEI賞を勝ったケイアイチョウサンを持つ彼は、2歳秋の東京開催でデビュー。その初戦は11着に終わり、続く未勝利戦も8着。その2戦後、長期の休養に入る。その理由は情報が乏しく、不明。1年後、障害戦に参戦。障害緒戦は14着のシンガリ負け。しかも前の13着の馬に9秒以上(およそ50馬身?)離される大差負けだった。

レース序盤で置き去りにされる下積み時代のオジュウチョウサン

 

 今でこそ最強障害馬として讃えられる彼だが、障害転向から華々しいデビューを飾っていたわけではなく、むしろドン底からのスタートであった。

精力的に走り続ける

 年が明け、4歳になったオジュウチョウサン。年始の中山開催で障害2戦目を迎える彼だったが、前走の大敗もあり、ブービー人気の11番人気。しかし、前走の大敗が嘘のような追い込みを見せ、2着。三連単100万越えの大波乱を演じる。

驚異的な追込みを見せる若かりしオジュウチョウサン①

驚異的な追込みを見せる若かりしオジュウチョウサン②

 

 障害で初勝利を挙げたのは、それから2戦後の東京開催。障害デビューから4戦目であった。その2戦後には後の名コンビとなる石神騎手を背に迎え、重賞初挑戦。結果は4着。年末には中山大障害にも挑むが、後に何度も返り討ちにすることになるアップトゥデイトに4秒以上離されての6着。

 4歳時は実に9戦もこなし、苦戦を強いられながらも精力的に走り続け、その脚に磨きをかけていた。

エリートを負かして快進撃へ

 5歳になったオジュウチョウサンは、連戦に一息入れ、3月に復帰。年明け緒戦を2着で終えた。

 続く春の2戦目は中山グランドジャンプに出走し、二度目のG1挑戦。その時、圧倒的な人気に推されたのは、6歳にして障害に転向し、連勝街道をひた走っていたサナシオン。ノーザンファーム生産でサンデーレーシング持ち馬と、元々エリート出身の彼は、今後の障害レースの中心を担う存在と目されていた。

 レースは4コーナーの時点で、サナシオンとオジュウチョウサンのマッチレースの様相。

サナシオンを追いかけるオジュウチョウサン

 

 最後の直線の障害を飛越し、サナシオンは直線半ばでオジュウチョウサンを突き放す。しかし、雑草魂で走り続けていたオジュウチョウサンは、エリート出身のサナシオンだけには負けじといった走りを見せる。

サナシオンに一旦は突き放されるオジュウチョウサン

 

 坂を駆け上がった後、オジュウチョウサンは驚異的な追い上げを見せ、サナシオンを捉える。すると、みるみるうちに差を広げ、結局は3馬身半の差をつけた。

オジュウチョウサンG1初制覇の瞬間

 

 当時、障害最強と目されていたサナシオン。それをを負かしたオジュウチョウサンはその後、破竹の快進撃を見せる。中山グランドジャンプ3連覇、中山大障害2連覇を含む、障害重賞9連勝。障害レース史上に名を残す程の名馬へとのし上がった。

再び平地の舞台へ

 障害最強の名を欲しいままにしたオジュウチョウサンは、7歳夏、平地への参戦を決める。障害界のスターは、未勝利馬の身として一からのスタートを切ることとなった。

 迎えた平地復帰戦は、福島芝2600mの開成山特別で、鞍上には生きるレジェンド武豊騎手。徹夜組が現れるなど、その注目度は土曜のローカル開催としては異例のものであった。平地未勝利ながら一番人気に推されたが、人気先行で半信半疑の声も多くあった。しかし、その疑念を嘲笑うかの如く、彼は4コーナーでスパートをかけると、後続を引き離しての圧勝劇。福島競馬場は、500万条件戦の時間ながら、GⅠ級の歓声に包まれていた。

 続いて選択したレースは、東京芝2400mが舞台の南武特別。スタミナだけではなく、スピードも必要とされる舞台。さすがにスピード不足だろうとの疑問符もあり、単勝人気は3番人気に止まる。だが、そんな不安も障害レースのスターには関係なかった。芝2400mを2分25秒フラットの好時計で駆け抜け、平地復帰後あっさりと2連勝。障害で鍛え上げたスタミナだけでなく、軽い芝でも勝負になるスピードを見せつけることによって、有馬記念制覇の夢が広がった。

 ドン底から這い上がり、エリート出身のサナシオンを負かし、障害界のスターホースにまで上り詰めたオジュウチョウサン。今度相手となるのは、華々しい芝中距離界で活躍する正真正銘のエリート集団。ダービー馬レイデオロを始めとする彼らを、雑草魂で駆け抜け続けたオジュウチョウサンは、最大の下剋上を果たすことが出来るのであろうか。

2018有馬記念出走予定馬オジュウチョウサンの強味と弱点

障害で鍛え上げたスタミナ

 障害で連勝街道を演じたスタミナは、有馬記念でも大いに役に立つことだろう。有馬に強いステイゴールド産駒という点も、魅力的だ。

あくまでも条件馬

 平地ではあくまでも条件馬という身であるという現実は、どうにも無視できない。芝のクラシックディスタンスの超一流のスピードについているかは、誰もが疑問に思うところ。障害帰りで有馬記念を制した例に、メジロパーマーという好例があるが、彼は障害参戦前に芝の重賞を制しており、平地でもそれなりの活躍を示していた。

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オジュウチョウサンの馬券のポイント

 記念馬券として単勝がそれなりに売れることが予想される。前例のまるでない臨戦過程なので、取捨は困るところであるが、ヒモの相手として売れ行きが芳しくないのであれば、押さえておきたい。

 今年の有馬は難解なので、儲けは無視し、単勝を勝って異例の挑戦への応援に徹するのも、賢い一興かもしれない。

 

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