屈指のスピード軍団が、箱根の舞台でようやく光輝いた。

箱根で勝つ為にスタミナを付けてきた努力が実を結んだ。

王者の野望を阻止した快足チームは、これから新たな一時代を築き上げるのだろうか。

 

 

2019箱根駅伝は東海大が初の総合優勝

 第95回箱根駅伝(東京箱根間往復駅伝競走)は、東海大学が初の総合優勝を果たした。過去に往路優勝が1回、総合で2位が最高位だったが、47回目の出場にしてようやく念願が叶った。

 箱根では勝てないレッテルを遂に覆した。トラック競技や出雲駅伝では強さを見せ、毎年のように優勝候補に名を連ねていた当校だが、箱根に厳しい道のりに幾度となく阻まれた。今年もどこかで失速があるかと、目の肥えたファンであれば誰もが頭を過ったことだろう。

 しかし、区間最低位は花の2区で粘った湯沢の8位で、往路では全て3位以内と抜群の安定感を見せ、総合新記録まで更新した。東海大がここまでの強さを見せた理由は何だったのだろうか。

東海大学全区間成績

1区
区間順位:6位
区間タイム:1:02:43
鬼塚 翔太

2区
区間順位:8位
区間タイム:1:08:05
湯澤 舜

3区
区間順位:7位
区間タイム:1:03:02
西川 雄一朗

4区
区間順位:2位
区間タイム:1:02:37
館澤 亨次

5区
区間順位:2位
区間タイム:1:11:18
西田 壮志

6区
区間順位:2位
区間タイム:58:06
中島 怜利

7区
区間順位:2位
区間タイム:1:02:41
阪口 竜平

8区
区間順位:1位(区間新)
区間タイム:1:03:49
小松 陽平

9区
区間順位:2位
区間タイム:1:09:36
湊谷 春紀

10区
区間順位:3位
区間タイム:1:10:12
郡司 陽大

 

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2019箱根駅伝東海大の勝因

 終始安定した走りを見せた東海大。優勝候補の青山学院大が4区~5区で、15位、13位と失速。さらには箱根で無類の強さを誇る東洋大も、9区~10区で19位、10位と失速。そんな中、前述通り東海大は箱根路を失速することなく、見事に乗り切った。

 彼らの大激走は、3つの要因があると考える。

好時計の出易い気象条件

 スピード軍団と呼ばれて久しい東海大だが、例年に比べ温度差や風の抵抗が少なく、我慢強さよりも速さが活きる条件になったことが、まず一つの要因として挙げられるだろう。

 1500m日本チャンピオンの館澤が4区で2位、3000mSCで大学記録を持つ阪口も7区で2位など、中距離志向の選手が結果を残せたことは、やはりそうした彼らが走り易い条件だったことは間違いない。

絶妙な区間エントリー

 青学の失速は、4区で東洋に流れを持っていかれてしまったところにある。3区のキャプテン森田が区間新で流れを掴みかけたが、4区を務めた岩見が東洋大のエース相澤に序盤から突き放され、リズムを崩し区間15位。岩見も10000m28分台の記録を持つ優秀なランナーだが、そんな彼が失速してしまった悪い流れが、5区の山登りの竹石にも伝染してしまった。

 東洋は6区の今西、7区の小笹でリードを維持、若しくは開いて流れを掴みたいところだったが、逆に7区の阪口が区間2位の走りで4秒差まで詰められてしまった。その後を受けた8区1年生の鈴木は区間3位と健闘したが、東海の小松に前半は風よけにされ、さらには何度もプレシャーをかけられ、良い目的にされた。結果的に区間新のお膳立てを許し、完全に東海大に流れを持っていかれた。その悪い流れのまま受け取ったタスキは、4年生で箱根デビューとなった中村にとって、大変重いものだったことは言うまでもない。

 全区間に渡って選手層の厚い青学と、往路に強い選手を持ってきた東洋が競る形となり、結果それを東洋が制し、青学の失速を生んだ。そして復路で選手層が薄くなった東洋を、東海が一気に捕まえ、流れをものにした。青学は復路で全て区間2位以上と追い上げるが、時すでに遅し。

 選手層では青学が一枚上手だったことは間違いない。そんな王者を退けた両角監督の絶妙な采配も、大きな勝因だろう。

箱根仕様のトレーニング

 展開や条件だけでなく、箱根を勝つ為、トラック志向でないスタミナトレーニングを積んできたことも勿論、初の栄冠に結び付いたことは語るまでもなかろう。この勝利は、駅伝に勝つ為のトレーニングを重ね、戦略を練った努力の結晶である。そんなチーム一丸となった東海大駅伝部というチームを、改めて讃えたい。

 

 

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