広島東洋カープ所属の新井貴浩内野手(41)が本日2018年9月5日に引退を表明した。阪神タイガースの福留孝介外野手と並ぶセリーグ野手最年長として球界をリードしてきたが、背番号25が記されたユニフォームを脱ぐこととなった。

所生もそれなりのプロ野球ファンであるが、彼ほど印象に残る選手は過去に例を見ない。記録も残した選手ではあることが間違いないが、それ以上に記憶に残る選手であったことは、恐らくどのファンも認めるところであろう。

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新井貴浩の引退試合

現在カープはセリーグの首位をひた走る。2018年9月5日の時点で、2位のヤクルトとのゲーム差は14で、M12が点灯中。よほどのアクシデントと他チームの追い上げが無い限り、カープの優勝は間違いない。9月半ばにはペナントの頂点を手中に収めることであろう。

となれば、チームとしてもシーズン終盤は、消化試合やCSに向けた調整をできる余裕ができるわけである。新井選手の為の引退試合を組むことも、十分に可能とみる。球団としても単なる消化試合で終わらすには興業として勿体ないところ。ファンとしても是非、彼の最後の勇姿を見てみたい。

今のところ、カープの最終戦は10月4日のマツダスタジアムで巨人との一戦となっている。もし、引退セレモニーを含んだ試合が行われるとするのであれば、ここが妥当か。

10月2日~3日にはマツダスタジアムで阪神との試合も組まれている。虎党の所生としては、ぜひ、この2戦のどこかで引退セレモニー、若しくは特別な挨拶が欲しいところである。虎党からも愛され、イジられた貴人。そのフルイニング出場した雄姿を赤と黄色で染まったスタジアムで見せて欲しいものだ。

しかし、全力プレーを身上とする新井選手。お情け的な扱いでフルイニング出場をすることは、彼の気持ちに反するもので、引退試合はしない可能性が高いとの噂もある。

それであればファンとしては実に残念だが「ファンの為に全力を尽くす」ということも、是非、彼の心中に刻まれていてほしい。兄貴分とされる金本監督も、引退試合で4番でフルイニング出場し、ヒット一本打って甲子園を沸かせ、ファンの心を熱くしたのだから。

※追記
2018年セリーグ追加日程が発表され、マツダスタジアムホーム最終戦は以下に決まった。
「10月7日(日)14:00~ DeNA戦」

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新井貴浩の主なタイトル

「つらいです」の記者会見での一言が話題を呼び、阪神でFAで入団してきたことを皮切りに、記憶に残る選手への道をひた走ることになった彼。阪神時代、ツライのゲッツー略して「ツラゲ」、「新井の6・4・3は無形文化遺産」などと揶揄されたのは、虎党の代表的な「愛の表現」だった。

それでもカープに復帰してから2000本安打を達成し、チームのリーグ優勝に貢献してMVPを獲得するなど、選手としての能力は抜けたものがあった。

2005年には本塁打王を受賞した際にブレイクを果たしたが、2008年にはファーストでゴールデングラブ賞を取るなど、守備でも光るものがあった。2011年には勝負強い打撃で打点王を獲得。しかし同年、併殺王と失策王(サードは苦手だった?)のタイトルも同時に獲得し、現阪神の金本監督に「三冠王」と揶揄されたこともあり、やはり記憶に残る選手との印象が強い。

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新井貴浩の今後

今のセリーグの状況からすれば、間違いなくカープはCSに行く。昨年は苦手のDeNAにまさかのCS敗退を味わわされたが、今年のカープに苦手意識のあるチームはなく、順当に日本シリーズへ駒を進めることだろう。

「嬉し涙で終わりたい」と会見で語っていた新井選手だが、ポストシーズンでも活躍を見たいところだ。日本シリーズで相手となるのは、打撃好調な西武が順当に上がってくるだろうか。それとも、後半戦になって調子を上げてきた常勝軍団ホークスが、やはり今年も日本一の座を虎視眈々と狙い、上昇してくるのか。いずれにせよ、カープは交流戦で苦戦を強いられ、パリーグ相手ではなかなか分が悪そうに思える。

強いパリーグを相手に、新井選手はその勝負強さを見せてくれるであろうか。今年のポストシーズンは彼を中心に回るような気がしてならない。日本一を決める一打を放った背番号25、有終の美を飾る、そんな記事の踊る紙面が世間を賑わすことを夢見ている。

そして、引退後の新井選手はどういった道を進むのか。素人目だが、感覚的なバッティングの印象が強い彼は、指導者、特にバッティングコーチには向いていない気がする。ただ、選手会会長として政治の場に立つような心の太さと、毅然とした喋り口は印象的であり、解説者をはじめ、メディアに露出した仕事をこなすのではないかと予想している。

40歳を越えても現役を続けること

毎年オフシーズンになると、護摩業を行い続けた新井選手。300度に達する炎の前で叫び声を上げ続ける荒行を成し遂げてきた彼だが、それが長い間現役を続けられた精神を保つに至ったのかの因果関係は不明である。

所生が思うに、勿論、精神も一線級で活躍するには必要なことだとは思うが、やはり最後は「生まれ持った素質」に尽きるのだと思う。そしてその素質に、DNAや血筋は関係ない。神様か誰かは知らないが、生まれた瞬間やら、胎児の間に、その力を宿すものと思っている。

新井選手には弟の良太選手がいて、彼もプロで活躍したが、タイトルホルダーにいたるまでの選手では無く、30代前半で現役を退いた。良太選手は恐らくは兄の背中を追い、野球の道にひた走ったものであろうが、生まれ持った素質は兄に到底及ばないものであった。

結論付けるに難儀な話であるが、生まれ持った素質に抗うことなく、その能力で、自分に見合った生き方を選ぶことが大事ではないかと思うわけである。新井選手のように優れた力を持った人間は、プロ野球の一線級で活躍し、多くの人からも愛される存在であったが、背負うものも大きかったはずである。

要するに「背伸びせずに生きよう」とするのが肝要ということ。

先日、チャンスで新井選手の伝統芸「6・4・3」をニュースで見た時、所生は「あ、これはそろそろ⋯⋯」と直感的に得るものがあった。「つらいです」と語った阪神の入団会見とは一変、実に晴れやかな様子で語る彼の引退会見を見て「自分自身を知る」ことの大切さを学んだ気がする。

 

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