最低限の結果は残した。そして、将来につながる希望の星も残した。

巨人軍の監督としてチームを去ることになった高橋由伸氏(43)だが、クライマックスシリーズ進出を決めた。そして根強く使い続け、シーズン中盤から4番に座ることになった岡本和真内野手(22)も大記録を残すに至った。

虎党にとっては最下位の決まった消化試合とはいえ、負けてはならぬ伝統の一戦。スローガンである「執念」を見せて欲しかった。しかし、巨人にとっては大一番への進出のかかる大事な試合。絶対に勝つんだという「執念」を逆に見せつけられた。

そんな2018年10月10日の一戦と、達成された大記録を振り返ってみたい。

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巨人・岡本が最年少で3割30本100打点を達成

お互い、出来る限りの戦力は要してきた。

巨人は試合前まで防御率1点台と、抜群の安定感で厳しい先発の台所事情を支えていたメルセデスを先発に。阪神はチーム最多勝をあげているエース、メッセンジャー。

しかし、両チームの6回までの点の取り方に差が出ていた。巨人はタイムリーで4点を取っていたが、阪神は内野ゴロの間や、エラー絡みの4点で、今のチャンスでの得点力を象徴していた。

形はどうであれ、追いついた阪神は7回、昨年のホールド王で中継ぎ柱の桑原をマウンドにあげる。しかし、昨年度の輝きは失われていた。シュート回転して真ん中付近に投げ込まれたストレートを、上昇気流に乗る4番・岡本はそれを見逃さなかった。スタンドギリギリに届いた一発は、一気にチームの士気を上げた。追いついてもらった後の失点で、流れが悪くなった阪神。その後も桑原はヒットを浴び、小林に汚名返上のスクイズでもう一点献上。流れは完全に巨人に。

7回裏、2アウトからランナーを二人出すも、やはりタイムリーが出ず、無得点。猛虎の首は完全に断たれた。

8回裏。リードを許した場面で勝ちパターンのリリーフを使えない阪神は、望月を投入。巨人はここぞとばかりに攻め立てる。首位打者争いを演じる坂本が当たり前のようにヒットを放つと、続く田中俊はキッチリと送る。その後、マギーのツーベースで追加点。

そして、歓喜の瞬間が訪れる。

フルカウントからインコースのベルト付近に投げ込まれた150kmのストレートを、岡本はレフトスタンドへ叩き込み、2点を追加。100打点をシーズン最終試合で到達した。22歳3ヶ月の歴代最年少で3割30本100打点を達成。

ちなみに、歴代で当記録を若い順に達成した選手を並べてみた。

山田哲人 23歳2か月/2015年(ヤクルト)
 打率.329 38本 100点

王貞治 23歳4か月/1963年(巨人)
 打率.305 40本 106点

掛布雅之 23歳4か月/1978年(阪神)
 打率.318 32本 102点

門田博光 23歳7か月/1971年(南海)
 打率.300 31本 120点

筒香嘉智 24歳10か月/2016年(DeNA)
 打率.322 44本 110点

大杉勝男 25歳6か月/1970年(東映)
 打率.339 44本 129点

原辰徳 25歳2か月/1983年(巨人)
 打率.302 32本 103点

この顔ぶれと比較すると、岡本選手はとてつもない選手になる可能性がある。

さらに、巨人は最後は9回裏にエース菅野を投入。由伸監督のクライマックス進出に向けた執念を感じる采配であった。思わず目頭の熱くなるようなファンサービスとも、勝利への執念とも受け取れる行為に、甲子園が「由伸コール」に沸いたのも必然と言えよう。

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巨人岡本が今シーズン活躍したのはなぜ?

若い選手が突然覚醒し、とてつもない成績を残しはじめることは往々にしてある。

今シーズン、前人未到の3回目のトリプルスリーを達成した山田哲人(26)も杉村繁打撃コーチとのマンツーマンの指導により、打撃が大幅に向上したというが、岡本選手も何かを掴んだのであろう。

広澤克美氏は、彼の今シーズンのバッティングについて、こう語っている。

 ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏は、「この活躍は本物」と太鼓判を押す。

「昨年まではスイングの力がバットに伝わらず、芯に当たっても飛ばなかった。インパクトの際に体重がほとんど左足に移っていたんです。今年は右足に体重を残した状態で体を回転できるようになったため、しっかり捉えれば間違いなくスタンドまで届く。あのバッティングを見ているとシーズンを通しての活躍が期待できる」

NEWSポストセブン

シーズンオフに、西武の中村剛也内野手(35)と合同自主トレを行っていたが、そこで「適当論」なるものを教わっていたようだが、それがきっかけになったのかもしれない。

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急に伸びるきっかけを見つける

こうした突如伸びるプロ野球選手を見ていると、徐々に伸びていく選手というのはまれで、突然、何かをきっかけに急上昇し、タイトルを取るような選手になる。

それはどの業界にも言えることなのではなかろうか。

人間関係等々の相性で伸び悩んでいる人材がいたら、思い切って配置転換をしてみるなど、変化が必要だと強く感じる。いつまでもポテンシャルを眠らせておくのはあまりに忍びない。

 

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