速見コーチの宮川選手に対する暴力問題から一転、塚原光男副会長、及び塚原千恵子強化本部長のパワハラ問題へと発展した。もはや何が問題であり、争点がどこにあるのかが全く見えてこない。

速見コーチの所属と実績

速見佑斗(はやみ・ゆうと)1983年(昭58)9月27日、長崎県佐世保市生まれ。関西高等学校、日本体育大学を経て、徳洲会体操クラブに所属し選手時代を過ごす。徳洲会体操クラブは米田功氏、水鳥寿思氏が2000年代前半に国内のトップ選手として活躍し、04年アテネ五輪団体金メダルのメンバーに選出されている。速見氏自身の実績だが、調べた限りはこれといって目立ったものは無く、08年北京五輪代表選考後に現役引退とだけの記載が目立つ。

現在は、埼玉県にあるセインツ体操クラブに所属し、日本代表のコーチを務める。宮川選手を小5から指導している。

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宮川紗江の所属と実績

宮川紗江(みやがわ・さえ)1999年(平11)9月10日、東京都西東京市生まれ。西東京市立青嵐中学校卒業、2018年3月1日埼玉県の西武台高等学校卒業。

2歳から体操を始め、2013年度女子ジュニアナショナル選手となった。2014年から徐々に頭角を現し、6月の第53回NHK杯体操選手権で個人総合7位となり、ユース世代ではトップの成績だった。同年、南京ユースオリンピック出場を決め、種目別跳馬で銅メダルを獲得。また2014年から女子ナショナル選手にも選出され、同年7月に開催された全日本体操種目別選手権大会では跳馬で優勝を果たす。ゆかでも2位となった。

2016年8月、リオデジャネイロ五輪日本代表に選出。体操女子団体、女子種目別ゆか、女子種目別跳馬に出場。団体では4位入賞のメンバーとなるも、個人種目別ではゆかで49位、跳馬で15位と、いずれも予選で敗退。

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速見コーチと宮川選手の今後

速見コーチ自体にメディアに特出されるほどの選手としての実績はなく、宮川選手の調子も2014年を境に下降線を辿っている。まったくの私見になるが、これから速見コーチに宮川選手の実力を底上げし、東京五輪代表に選出させるだけの手腕があるかどうか、甚だ疑問である。

塚原光男副会長、塚原千恵子強化本部長の業界における権力の強さは疑いようが無く、彼らの運営する組織も相当大きなものであることは想像に難くない。塚原夫妻の元に宮川選手を引き抜くような話も出ているようだが、それはそれで彼女の実力を伸ばすことを考えれば、合理的なようにも思える。

世間的には塚原側が敵に回されているような風潮が高まっているような気がするが、私見としては、宮川選手は塚原強化本部長の「愛の手」を「パワハラ」として受け止め、人生の選択を誤ってしまったように感じられる。今後も速見コーチの下で指導を仰ぎ、再び輝きを取り戻し、来たる2020年の大舞台でメダルを取るようなことになれば、それは感動的なストーリーだが、淡い夢物語に終わる可能性は極めて高いと見る。

パワハラという一手

「パワハラ」という言葉は、労働者側にとって大変ありがたい存在になった。「受け止める側がパワハラと感じればパワハラ」という概念がある限り、我々のような使われる側は、何でもアリである。働き手の少なくなった経営者側にとって、パワハラ発言はどうにも逃れられない恐怖の一手である。塚原夫妻側も「宮川選手がそう受け止めてしまったからには⋯⋯」という意図の謝罪を述べざるを得なかった。

労働者の権利は、日に日に強くなってきている。ただ、それはアナーキーのような混沌状態の訪れを示唆しているような気がしてならない。労働者階級が支配者層を崩壊させ、血肉にまみれた争いが生まれるのではないかと。そこから本当の意味での民主主義が生まれるのであれば越したことはないが、一抹の不安はどうしても拭いきれない。

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