引退会見に臨んだイチロー

 

イチロー自身が良く分かっていた。既に限界を迎えていたことを。

安打を重ねることが彼の全てではなく、守備や走塁でもまだまだ魅せられる可能性があっただけに、残念ではある。

しかし野手として打棒という翼を失うことは、大きな損失。打てない野手に価値はないことをイチローは理解しており、自らのその姿に納得が出来ないことは、彼の野球人としての最低限のプライドだった。

彼がユニフォームを脱ぐことに、誰も文句は言うまい。

否、言わせるものか。

 

イチローが現役引退を発表

2019年3月21日、シアトルマリナーズのイチロー外野手が現役引退を発表した。

イチロー選手は昨年5月、会長付特別補佐としてフロント入り。今年のキャンプで選手復帰したが、オープン戦から大不振。アスレチックスとの開幕第2戦、28年間のプロ野球人生最後の試合も4打数無安打に終わった。

日本人野手の中で日米通算4367安打、生涯打率.332は歴代最高の記録。そんな日本の誇る生きる伝説が、遂にユニフォームを脱ぐことを決断した。

 

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イチローが引退会見まとめ①

御託は良い。

イチロー選手が引退会見で語った全てをここでまとめ、彼の気持ちを読み解いてみよう。

 

「日本で9年、アメリカで19年目に突入したところなんですけど、今日限りで現役生活にピリオドを打ち、引退することを決めました」

 

イチロー選手にしては、あっさりした始まりだった。

 

日本での試合までが契約だった。

 

米国人の合理主義が改めて浮き彫りになった気がする。

 

今日の球場の雰囲気を味わったら、引退したことを後悔していないとは、とてもじゃないが言えない。

 

だったら日本でプレーしてくれよと言いたいが、彼の自尊心はそれを許さないのだろうな。

 

野球人生で貫いたことは、野球を愛していたこと。

 

いつか自分の仕事に対しても、そんなことを言ってみたい。

 

子供たちへ伝えたいことは、野球に限らず、熱中できるものを見つけて突き詰めろ。

 

まさにそれな。

日本の教育にはそれが欠け過ぎている。お役人はイチローを見習え。

 

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イチローが引退会見まとめ②

 

去年試合に出られなくなってからの時間は、僕の誇り。

 

深い。

深すぎる。

試合に出てこそ選手なのに、それを誇りに思うとは、常人では理解し難い感覚である。これぞイチロー。

 

94年に番付を上げられてから、純粋に野球を楽しめなくなった。

 

イチロー選手とはいえ、プロで結果を残すことの重圧とは計り知れないものだと、改めて思わされる。

 

感情が無いと思われるけど、意外とある。だから本当は結果を残して終わりたかった。

 

何と言うか、イチロー選手はシャイなんだなと何となく思っていたが、それを象徴するような発言である。

 

NPBに戻る気持ちはなかった。

 

彼はマスコミ嫌いと聞いていたが、そういうことだろうか。それとも、病みに病んだ日本の体質的なところか。

 

これからどうするかわからないけど、明日もトレーニングする。

 

もうね、アマチュアでもいいんですよ。どんな環境でも彼のプレーする姿を見られれば、人は自然と集まり、人はそれを見て元気になる。

イチローという存在価値は、プロを退いても色褪せない。

 

イチローが引退会見まとめ③

 

人より頑張ることは出来ない。今の自分より少し頑張ることが出来るだけ。

 

あなたより頑張れる人間など、存在しません。そんなこと言われると、泣けてきます。

 

遠回りすることでしか、本当の自分に出会えない。

 

効率化重視の今の若者に言ってやりたい言葉。苦労を積み重ねることは、結局高みに近付く最短距離になる。

 

監督は絶対無理。絶対が付くほど無理。なぜから人望が無いから。

 

生涯プレイヤーでいて欲しい。彼は上に立ってしまっては、その魅力は半減するに違いない。

 

子供たちの指導には、興味がある。

 

純粋無垢なうちに、その姿勢を伝えていって欲しいもの。

 

ヤンキース移籍以降は、毎日クビにならないか不安だった。

 

出来る人間こそ、その原動力は「恐怖」だと聞いたことがあるが、ここで改めて気付かされた。

 

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イチローが引退会見まとめ④

 

菊池雄星の号泣には笑えた。

 

年は何歳離れているんだっけ?

 

この「いじり」こそ、イチロー愛の象徴。

 

左投げ先発ピッチャーには変な奴が多いけど、菊池雄星はいい子。

 

左投げの先発ピッチャーで変な人?

 

例えば、この人とか?

 

アメリカのファンは最初は厳しかったけど、結果を残してからは手のひらを返してきた。

 

やはり結果至上社会。厳しい世界だが、誰もが納得する形。イチロー選手にとって、アメリカという環境は最高に適合していた。

 

シアトルのファンには仲間に入れてもらえた気がしているが、ニューヨークのファンは本当に厳しかった。

 

選手としてピークを過ぎていたからではなかろうか。シーズン最多安打記録を残すような存在だったからこそ、ヤンキース狂は彼に過度な期待を抱いてしまった。

 

セーフコで最後のユニフォーム姿を見せられなかったことは、申し訳なく思っている。

 

まさにこれ。

イチロー選手は、もはや日本の為だけの存在ではない。愛してくれてた地元ファンにも、その雄姿を今一度見せられないものか。

 

イチローが引退会見まとめ⑤

 

妻が握ったおにぎりは2800個くらいだった。3000個くらいは握らせてあげたかった。

 

内助の功も、ひたすらその数を重ねていたということか。座布団一枚では済まされないことは明白。

 

年老いた一弓が懸命に生きている姿を見たら、頑張らないといけないと思った。

 

愛犬・一弓

 

彼もまた、イチロー選手の大きな原動力だった。

 

仰木監督なら、美味しいご飯とお酒を飲ませれば、MLB移籍を認めてくれると思ってた。

 

結局、ポスティングで海を渡ったイチロー選手だったが、もっと早くからメジャーに行きたかった?

 

現役時代何かを我慢したことはない。僕は我慢できないので。

 

我慢ほど無駄な概念はない。結果を残し続けたイチロー選手はそれを良く教えてくれた。国民は皆、理不尽な要求に屈するべきではなく、主張していくべきだ。

 

大谷翔平は早く怪我を治して世界一の選手にならないといけない。

 

イチロー選手にさえ、そのポテンシャルを認められた大谷翔平。彼もまた、常識の枠に嵌めてはいけない選手だ。

 

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イチローが引退会見まとめ⑥

 

神戸は僕にとって特別な街。税金を少しでも払えるように頑張ります。

 

これぞイチロー節。ただ、彼は日本に税金を落としてくれるだろうか。

 

小学生の頃の自分に対して「ドラ1で契約金1億円貰えなかったぞ」と言ってやりたい。

 

小さい頃の野望があまりにデカ過ぎる。将来これを達成するような人物こそ、イチロー選手を超える唯一の存在となるだろう。

 

「現在それ(孤独感)全くないです。今日の段階で、それは全くないです。それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て……外国人になったこと。アメリカでは僕は外国人ですから。このことは……外国人になったことで、人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることはできたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと、今は思います。だから、辛いこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気なときにそれに立ち向かっていく、そのことはすごく人として重要なことなのではないかなと感じています」

Full-Count 2019.3.22 

 

会見で出た「孤独感」というキーワード。この最後の質問をした「フルカウント」の記者に称賛の声が浴びせられている。故に原文まま紹介。

日本にいた頃のイチロー選手は、他人のことを慮る配慮が欠けていたことを象徴している。それが無くとも、日本ではそのポテンシャルだけで飯を食っていけたから。

しかし、海を渡ると状況は一変。人の心を読むという行動を覚えないと、イチロー選手でさえも埋もれてしまうくらい厳しい世界だったことを、MLBは感じさせる。

やはり、イチローとイチローたらしめる為、その存在を昇華するに、メジャーリーグという存在は欠かせないものだった。

ユニフォームを脱いでも、イチローという存在はまだまだ進化を続けるはず。今後も彼から目を離しては、人生において大きな損失となる。

 

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