白血病を告白した池江璃花子選手

 

衝撃が走った。

それは水泳界、日本などといった規模の話ではなく、誰もが世界を震撼させる程のものと認めることに論を待たない。日本国民の期待を背負っていた若きスイマーに青天の霹靂が如く突き付けられた痛烈な試練。

そんな彼女に我々がしてあげられることは、早く良くなるように願っていますなどと当たり障りのない言葉で励ますことなのだろうか。

否、本気で彼女を心配するのであれば、その病気について理解することではなかろうか。

 

池江璃花子が白血病を告白

2019年2月12日、競泳女子で来年東京オリンピック金メダル候補である池江璃花子が、白血病であることを自身のSNSで告白した。

View this post on Instagram

* 応援してくださる皆様、関係者の皆様へご報告があります。 日頃から応援、ご支援を頂きありがとうございます。 この度、体調不良としてオーストラリアから緊急帰国し検査を受けた結果、「白血病」という診断が出ました。 私自身、未だに信じられず、混乱している状況です。 ですが、しっかり治療をすれば完治する病気でもあります。 今後の予定としては、日本選手権の出場を断念せざるを得ません。今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。 池江璃花子

A post shared by Rikako Ikee (@ikee.rikako) on

 

池江選手は12月18日からオーストラリア合宿に出発。2月7日までの予定だった本合宿を体調不良を理由に途中で切り上げ、帰国。その後の検査で白血病であることが明らかになった。

普段何事もない練習であるにも関わらず肩で息をするなど、その異変は彼女からしてみれば顕著だったという。池江選手がトップアスリートだからこそ早期発見に繋がったと、不幸中の幸いとする声もある。

■池江璃花子の主な成績
・2015年世界選手権で中学生として代表入り。
・2016年リオ五輪5位入賞。
・2018年パンパシフィック選手権で主要国際大会初優勝。
・2018年ジャカルタ・アジア大会で日本勢最多6冠達成。
・得意は100mバタフライで、自己ベストは56秒08
・個人種目12個とリレー種目9個の日本記録を保持。

 

スポンサーリンク

池江璃花子の血液型が変わる?

池江選手の血液型はA型。SNSをまめに更新して我々に状況を知らせてくれる配慮は、A型気質を象徴しているように思える。

 

そんな日本人の中で最も多いとされる分類の彼女だが、今回の一件で変化が生じるかもしれない。

血液型は骨髄移植で変わる可能性がある

池江選手が冒された白血病とは、白血球が異常増殖する病気で、血液のがんとも言われる。その白血球は骨髄で作られるため、白血病の根本的な治療方法として骨髄移植があげられる。

その際に留意する点は血液型ではなく「HLA(ヒト白血球型抗原)」という白血球の型らしい。人によってその形式は様々で、10万人に1人の割合で適合するほど、多様性に富んでいる。これはつまり、白血病の治療には骨髄を提供するための多くのドナーが必要であることを示す。

運よく適合するドナーが見つかったとしても、血液型が異なる例は枚挙に暇がないとのこと。血液型とはそもそも赤血球の型の違いを示すものであり、骨髄とは赤血球を作り出す器官でもある。つまるところ血液型の異なる者同士の骨髄移植を行うことで、被提供者の血液型が変化する可能性があるということだ。

 

スポンサーリンク

そもそも骨髄とは何ぞや?

血液とはどこで作られるものなのだろうと、考えたことはあるだろうか。ちなみに小生は池江選手のこの一件を聞くまで、それに対し疑問を持つことは一切なかった。

そんな吾身はどこかしらの臓器だろうと思っていたが、実は骨の中で作られていることを知り、己の無知ぶりに大変な羞恥心を覚えた次第。

骨の中で形成される血液の成分

 

骨髄とは

骨髄とは骨の内部にあり、硬い骨の内部を構成している柔らかい組織である。造血組織とも呼ばれ、血液の成分である赤血球・白血球・血小板を作っている。この成分は学生時代に理科の授業で慣れ親しんだ言葉ではなかろうか。

骨髄には赤色骨髄黄色骨髄とがあり,前者は赤血球が多いために赤い。胎児や生後すぐには赤色骨髄のみからなるが、成人するにつれて次第に造血機能を失い、脂肪細胞に置き換えられるために黄色くなるという。成人になると両者の割合はほぼ等しくなるらしい。

 

そもそも白血病とは何ぞや?

前述の通り、白血病とは白血球が異常増殖する病気で、血液のがんとも言われる。白血球とは細菌と戦う免疫細胞だが、白血病に冒された患者の白血球は本来の役割であるそれを忘れ、ただひたすらにその数を増やす。つまりそれが「がん化」である。

細菌を追う白血球

 

がん化された白血球に冒された身体は、感染と闘える正常な白血球の数が足りなくなり、様々な感染症を引き起こすようになる。そして極めて重篤な疾患となり、死に至るおそれが多分にある。免疫が効かなくなる点においては、エイズと症状は近いのかもしれない。

兎にも角にも危険な大病であることに変わりはない。

 

スポンサーリンク

池江璃花子の東京五輪出場の可能性

白血病の治療期間は一般的に2~3年という。1年半後に東京オリンピックが開催されるが、この病気との戦う期間を考えると、池江選手がそれに出場し、さらに金メダルを取るまで調子を取り戻すには、残念ながら絶望的な状況と言わざるを得ない。

リオ五輪入賞時の池江選手

 

しかし、まずは一人の人間として、彼女の無事を心の底から願いたい。やはり我々が彼女にしてあげられることは、この大病について知識を深め、彼女との時間を共有することに他ならない。

 

唯木絢斗@oaonly180415をフォロー