板倉滉選手

 

サッカー世代別日本代表に選出されている板倉滉選手が、昨季プレミアリーグを制した名門クラブに移籍するとの発表があった。

傍から見れば実に素晴らしい出来事だが、そこに潜む茨の道を無視してはならない。

彼がその輝かしい舞台に立つ為には、まだ様々な障壁を乗り越える必要がある。

 

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板倉滉がマンチェスターCへ完全移籍

川崎フロンターレに所属し、期限付きでベガルタ仙台に移籍してプレーしていた板倉滉選手が、マンチェスターCへ完全移籍すると発表があった。

マンチェスターCは英国のサッカープレミアリーグで昨季優勝した名門クラブ。日本人選手が当クラブに移籍するのは初の出来事となる。

日本人としては実に喜ばしく、まだ21歳と若い板倉選手に大きな期待を抱くビッグニュースだが、その裏には厳しい事情が待ち受けている。

【板倉滉】
生年月日:1997年1月27日(21歳)
身長:186cm
体重:75kg
ポジション:DF、MF
経歴:
・川崎フロンターレ下部組織からトップチームに昇格
2016年8月6日甲府戦でJ1デビュー
・2018年ベガルタ仙台へレンタル移籍。32試合出場3ゴールと主力として活躍

 

板倉滉は実質フローニンゲンでプレー

プレミアリーグでプレーするには「就労ビザ取得」という大きな壁がある。これはサッカー協会というより、国の制限事項だ。英国政府は国外からの移住者を制限し、自国民の働き口が減らないよう、これを定めている。そのため、サッカー選手に限らず英国の就労ビザ取得は審査が厳しいものとなっている。

人材不足で海外労働者の受け入れ、移民政策だの議論が飛び交う日本とは実に逆行する事情だ。

さて閑話休題、海外選手が英国でプレーする為、就労ビザを取得には、以下のような実績を持たなければならない。

■出身国の過去2年間のFIFAランキングが平均50位以上であること
■過去2年間に行われたフル代表の公式戦出場率が以下を満たすこと(21歳以下の場合、過去1年間)
FIFAランク1位〜10位:30%以上
FIFAランク11位〜20位:45%以上
FIFAランク21位〜30位:60%以上
FIFAランク31位〜50位:75%以上

~出典 SoccerKING 2015.12.02 ~

 

フル代表経験のない板倉選手は、マンチェスターCに完全移籍とされたものの、プレミアのピッチでプレーする権利がないことになる。その権利を得るまで、別の国のリーグでプレーし、実績を積む必要があるのだ。

その下積みとして彼がプレーすることになるのは、オランダリーグのフローニンゲン。A代表ストライカー堂安律選手も所属するクラブである。

 

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板倉滉に寄せられる厳しい声

過去に就労ビザ取得で泣かされた日本人選手は少なくない。

■宮本恒靖:ウェストハム移籍(2001年)
■三都主アレサンドロ:チャールトン(2002年)
■家長昭博:プリマス(2009年)
■前田遼一:ウェストハム(2012年)
■宮市亮:アーセナル(2011年)

前述4選手はA代表経験がありながらも、英国のお役所事情でビザがおりなかった経緯があるという。実力だけではなく、こうした政治的な事情を突破する運や交渉も、プレミアのピッチ立つには必要なのである。

前述5人の中でも宮市選手はA代表経験がないながらも、アーセナルから特別申請をもらい、プレミアデビューを果たした稀な存在で、19歳にしてプレミアデビューを果たした逸材である。しかし、ケガなどもあり、思うような活躍が出来ず、未だ日本代表にお呼びがかからず、伸び悩んでいる。

そもそも、プレミアリーグは日本人選手にとっては鬼門となっている。日本代表のエースとして活躍した香川選手も、ドイツブンデスリーガの名門・ドルトムントから鳴り物入りでマンチェスターUに移籍したが、結果を残せず、再びドルトムントに戻ってきた際「香川は魔法を使えなくなった」などと酷評された。

Twitterでも厳しい声が散見している。

 

とはいえ、吉田麻也選手のように一定の結果を残す選手もいる。板倉選手は吉田選手と似たようなタイプで、強靭なフィジカルを武器とするDF。日本代表の守備の要の後釜として、板倉選手はその後に続くことが出来るだろうか。

 

 

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