自分で危険な所に行ったのだから自己責任。

自分で高額な商品を買ったのだから自己責任。

多額の資金が流れる「賭け事」としての一面が強い、競馬という公営のエンターテイメント。若いタレントをCMで起用するなどイメージアップを図るJRAだが、消費者センターを悩ます問い合わせが絶えない現状がある限り、灰色のイメージは払拭できない。

お金の奪い合いが本質である以上、悲しいがな、競馬は負の印象を付帯する運命にある。

いわき市中心に競馬予想ソフト購入後の相談相次ぐ

昨年4月から「高額な競馬予想ソフトを購入したが損をした」という相談が、福島県いわき市を中心とした消費生活センターに相次いでいるとのこと。

「馬券を自動で購入してくれる」

「うまく使えば絶対もうかる」

そうした甘い声に唆され、約75万円という高額なお金をつぎ込んでしまう多くは20代。その顛末は「ソフトを使って馬券を買っても的中しない」という始末。

消費者金融等の借り入れを強引に勧められる悪質なケースもあったという。

相談は県警にも寄せられているが、正式な契約書を交わし購入しているので「立件は難しい」とは県警幹部の声。

人生の半分以上の趣味を競馬に注いできた身としては、使ったお金に関しては「自己責任」で片づけたいところだが、競馬には賭け事の要素以外にも、人馬が織りなす真剣勝負から生まれるドラマも大きな魅力である。

競馬で人生を棒に振るうような人が増えないよう、ギャンブルとしての現実を伝えることが、競馬バカを自称する小生のささやかな務めだと思い、この続きを記す。

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競馬予想ソフトで勝てるほど甘くない

競馬はJRAという元締めがいることで、成り立つエンターテイメントである。100円の馬券を買ったとすると、実際に賭けに使われるのは75円~80円で、それを差し引いた分がJRAの売り上げ、もしくは公共事業にあてられる。

統計学的な傾向として、機械的に馬券を買い続けた場合、賭けに使われただけの金額が元に戻ってくる事象が見られる。例えば年間トータルで10万円を馬券に使った場合、7万5千円~8万円になって戻ってくる、つまりは1万5千円~2万円損する傾向にある。

よほど的を得た予想をして馬券を買わないと、トータル的にマイナスに陥るのが、競馬というギャンブルの常である。

小生は競馬予想時に「TARGET」というJRA公式のデータベースを、月額約2000円を払い、愛用しているが、プラス収支になるであろう組み合わせを抽出するには膨大な時間がかかる。それでも年間プラス収支で終えることは難しく、馬券に消費した年間100万円が95万になっていたと、わずかにプラス収支に届かないケースに終わることがほとんどである。

一日中TARGETにかじりついて、自動的に買い目を抽出するプログラムでも組めるのであれば、飯を食っていけるのかもしれないが、安定的な収入には程遠く、リスクは相当高い。ましてや本当にそんなプログラムを組めたとするならば、他人に売ったりしない。みんなが買ってオッズの低下を招き、儲からなくなるのだから。

競馬で飯を食っているとされている人は、馬券で飯を食っているのではなく、予想を買わせることで飯を食っている。その人達にとって馬券は投資にすぎないと理解すべきである。

結論、馬券で確実に儲けようとするならば、プラス収支を予見できるだけの情報処理能力、とりわけ優れたITスキル、またそれに費やす膨大な時間が必要である。その法則を見つけた対価として75万円などという金額は、たかが知れている。

つまるところ、予想をお金で買うなど、言語道断。予想を買うお金があるのなら、それを馬券に突っ込んだ方がまだマシである。

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被害者を増やさない為に

馬券にある程度手を染めた者であれば、上記程度の話は当たり前の話で、今さら何を言っているのかと手厳しい言葉を浴びせられることは必至であるが、それでも消費者センターの手を煩わす事態が発生している以上、これから競馬に興味を持つ方々の為、改めて書かねばと思った次第。

小生が競馬と人生の半分を注いできた得た極意は「金のかからない趣味」として捉え、生活に余ったお金でスリルと興奮を買うこと。

例えば、月に馬券で平均5万円使っているとしよう。月額5万円の趣味はなかなかの高額に思えるが、当たり外れを繰り返して75%は返ってくるので、トータルで考えれば、月額12,500円程度の消費に落ち着く。

各家庭にもよるが、趣味に1万2千円程度ならば、それほど高額な趣味でもなかろう。

それに、馬券収入は公共事業にも使われているので、一種の社会貢献でもある。

そうした現実を見据えつつ、己の馬券に対する適正価格を見極めて欲しい。賭け事に参入することこそ、まさに自己責任以外の言葉は当てはまらない。

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