【第3話】会社のパラハラが辛すぎ←今ココ
育児ノイローゼになり、入院するまで疲弊した妻と、僕の手元に残された娘を見ていると、今までの自分自身が本当に情けなくなりました。
「なぜ、こうなるまで気づかなかった⋯⋯?」
「なんで助けてあげられなかった⋯⋯?」
「そんなに仕事が大切だったのか⋯⋯?」
いろいろな疑問が沸きあがってきて、僕自身も気が滅入りそうでしたが、そんなことは言ってられません。
僕の親や親戚も、
「ちょっとの間なら大丈夫だけど、さすがに2ヶ月もずっとは⋯⋯」
という話だったので、娘の面倒は僕がみるしかないのです。っていうか、自分の子供のことなのに、親類に頼るなって話です。
目次
パタハラの事例・育休取得編
このクソ忙しい状況で、会社に育休取得を相談するのは気が引けますが、妻や娘の命がかかっているのです。
勇気を振りしぼって⋯⋯というか、当然の権利なのだから、主張して何が悪いのでしょう。そもそも、勇気を振りしぼる必要などないのです。
そう、当然の権利だ⋯⋯!
⋯⋯と思い、上司の下へ向かったのですが。
①とにかく休むなと説得させられる

育休を取りたいのですが⋯

急に言われても困るよー
そういう時ってまずは「大丈夫?」とか「大変だねー」とか心配するもんだと思っていましたが、そこは多くを求めず⋯⋯。

みるしかなくて⋯⋯

なんとかしてもらえないの?

こんな感じで、上司はとにかく仕事に穴が空くのを避けるべく、僕に何とか休まないように言ってきます。
ただ、こちらとしても家族の命がかかっているので、長期休暇の取得を譲るわけにはいきません。

家族のことも考えなきゃ
ダメでしょう?

だろーが⋯⋯!

早く言ってくれないと

よく分からない愚痴もこぼされ、何とも不毛なやり取りが続きましたが、上司は何とか上層部にかけあい、手続きを進めてくれることになりました。
本番はこれから⋯⋯!
休みは勝ち取りましたが(当たり前の権利だとは思うんですけど⋯⋯)、大変なのは今まで何もしてこなかった育児に取り組むということ。
オムツもロクに変えたことがなく、お風呂にも入れたことがなく⋯⋯

離乳食の知識なんかまるでなく⋯⋯

⋯⋯なんて、娘には思われてたんでしょうね。
最初のうちは何をやってもギャンギャン泣かれ、まったく思うようにいかないので、仕事以上のストレスに襲われ⋯⋯、

そんなことを一人でぼやいていることがしばしばあり、妻の偉大さを改めて実感していました。
②説得が無理だと思ったら脅される
正式に育休取得が決まる直前、上司は再び僕の下に現れ⋯⋯

男なのに?


プロジェクトは任せられないよ


承認しちゃうよ?

育休取ると重要プロジェクトから外されるとか、出世できないとか、いろいろとデメリットを提示してきました。
もうなんていうか、脅しですよね。

放っておけとでも言うんかい!?
⋯⋯とは上司に向かって言いませんでしたけど、もう、ひたすら怒りが沸きあがってきました。
パタハラの事例・仕事復帰後編
会社にはわだかまりを残しつつも、何とか育児と家事に専念する時間を確保することができました。
最初は慣れなくて、娘も泣いてばかりで本当に大変でしたが、1ヶ月もすると僕になついてきてくれたようで、笑顔もふるまってくれるようになりました。


⋯⋯さて、まさかの娘の告白がありましたが、なんやかんやで2か月が経ち、妻が実家の静養から戻って来て、僕も職場に復帰することができました。
今度は同じ轍は踏まないぞと、心機一転で仕事に臨んだのですが、会社のパタハラは止まることを知らず⋯⋯。
③悪い評価を付けられる
ある日のこと、上司との考課面談があった際、こんなことを言われました。

ボーナスは無しね

多少悪い評価が付くことは覚悟していましたが、ボーナス無しって⋯⋯。
ちなみに、同じプロジェクトに参加していた他の同僚は、きっちり1.5ヶ月分ほど出ていたそうな。
「そういう会社だから、仕方ないよ」
同僚は慰めなんだか諦めなんだか分からない言葉をかけてくれましたが、僕はますます、会社に対する不信感を募らせていきます。
④状況を改善してくれない
僕のように育休を取らざるを得ない存在が出現したことで、少しは残業やら休日出勤を減らし、社員のプライベートのことも考えてくれる雰囲気が生まれるのかと思いきや⋯⋯。
状況はまったく変わりませんでした。
絶対に無茶をしないと終わらない仕事量。深夜残業やら休日出勤の予定がびっしり入ったスケジュール表を見た僕は、愕然としていました。
まあ、ボーナス無しって時点で、僕が望むような配慮を期待する方が無駄だったのかもしれませんね。
⑤退職を勧められる
無理だとは分かっていましたが、一応、上司に仕事量を減らせないか相談。

辞めてもらってもいいんだよ

ただ「無理です」と言われるならまだしも、まさかの退職勧告⋯⋯。うつで倒れた時は、いろいろと世話を焼いてくれたのに、今回はなぜ手のひらを反すようなことを?
若くて使い勝手の良い駒が欲しい
30代前半で妻子持ちとなると、体力の面もそうですが、プライベートの縛りも発生するので、仕事で無理ができなくなってきます。
実際、僕が育休を取らざるを得なくなったのは、まさにその証明。
そして、無理が利かなくなり、若手に比べて多少基本給が上がった僕は、会社にとってうっとうしい存在だったのでしょう。
うつで倒れたころの僕は独身であり、まだ20代。復帰して頑張らせれば、まだまだ無理強いの利く存在だったから、そんな僕にでも手厚くしてくれたのかと。
他の同業他社はどうかは知りませんけど、きっとIT業界なんて、どこもそんなブラックなところで溢れているはずです。
結局、フツーだったのが悪い?
すみません、愚痴っぽくなりまして。
IT業界がブラック企業でいっぱいだとは言っても、結局のところ、僕の能力が足りなかったのが悪いって話。
そういう企業でも、出来る人は仕事を続けられます。
僕の同期で、今は妻子持ちにも関わらずその会社を続けている人がいます。彼は手際が良いし、仕事も出来る人だったので、今は出世して、ブラックな環境からは逃れているとのこと。
とはいうものの、他の同期はほとんどその会社を辞めてます。僕のようなフツーの人間は、淘汰されて然りだったんでしょうねぇ。
パタハラの事例・転職活動編

働くなんて、絶対無理じゃー!
そう思った僕は、転職活動することを決意しました。
妻も早く娘を保育園に入れて、職場に戻りたいという思いが強かったようで、僕が拘束時間の少ない仕事に変えることに賛成してくれました。
とはいうものの、30歳を過ぎてからの転職活動なので、仕事がすぐに見つかるかどうか、ものすごく不安。
果たして、僕はブラックな仕事から抜け出し、無事に転職先を見つけ、少しでもイクメンに近付くことはできるのでしょうか。
第4話へ続くであります!