まさに、欲望の赴くままに行動したいという『結果』にコミットした。

 

 ボディメイク、体質改善、それが当社の主軸となる事業であるのは周知の事実。

 人間の身体だけでなく、ゴルフの腕や英会話、ゆくゆくは企業の体質にまでメスを入れようとするその志が壮大であったことは、評価に値する。

 ただ、結果だけを見ると、目的が別の所に推移してしまったと、言わざるを得ない。

 

ライザップが業績予想を大幅下方修正

 RIZAP(ライザップ)グループが、2019年3月期の業績予想を大幅に下方修正。当初は営業利益を230億円と予想していたが、33億円の赤字になるとした。

 瀬戸健社長は、2018年度の役員報酬全額を自主返上するとのこと。

 汚れたケツは自分たちで拭くこと。

 これは体質を改める上で基本的というか、当たり前の行動だと思うが、なぜこのようなことになったのか。

急速なM&A

 とにかく企業を買収しすぎた。しかも、業績の悪化している企業を中心に。

 2016年3月期末に23社だったグループは、2018年3月期末には75社にまで膨れ上がったという。

 「企業もボディメイク」という理念は分からなくもないが、RIZAPは一つの企業を改善する前に、また一つの企業を買収していた。

 ここ2年、そうした度重なるM&Aで業績を押し上げてきた。

 ジャーナリストの小島寛明氏は、そのからくりを以下のように説明する。

 企業を買収する際、受け入れる純資産(=企業が持つ資産の総額から借金などの負債額を差し引いた残り)の額を下回る価格で買収した場合、「負ののれん」が計上される。この安く買えた差額分は、収益として計上されるので、一時的な業績向上をもたらす。

https://www.businessinsider.jp/post-179570

 つまりこういうことか⋯⋯

企業A
ウチは100億円の売り上げがあります。

RIZAP
そうですか、では50億円で買い取りましょう。

企業A
うむ⋯⋯致し方ない。

企業A
本当は200億の借金があるけどな(ニヤリ)。

RIZAP
借金あることなんてわかってら。
あとで立て直せるノウハウがウチにはある。

とにかく今は安く買い叩いて業績UPじゃー!

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ライザップが買収した企業とは?

 主なRIZAPグループ企業は、以下のサイトが詳しい。
 https://www.rizapgroup.com/company/group/

 

 最近、RIZAPが買収した企業の業績を見てみると。

株式会社ぱど

 無料情報誌を発行する業界大手。2017年にRIZAP傘下に。

 2017年は経常利益-3億3800万だったが、翌年2018年は2億3600万にV字回復。

 しかし、今期末の経常利益は-1億4000万の赤字予測が出ている。

株式会社ジーンズメイト

 ジーンズカジュアルを専門にしたアパレルメーカー。2017年にRIZAP傘下に。

 2017年は経常利益-8億だったが、翌年2018年は5億9100万と買収後も赤字続き。

 しかし、今期末の経常利益は8000万の黒字に浮上する見通し。

 

 RIZAPが「爆買い」を始めた頃の企業に関しては、やはり経営改善が追いついていない模様。しかし、爆買いを始める前の企業に関しては、堅調な業績を維持している傾向にあるようだ。

株式会社イデアインターナショナル

 インテリア雑貨等の企画、卸・小売りを行う企業。2013年に健康コーポレーション(現・RIZAP)傘下に。

 買収当初は赤字が続いていたものの、2015年から経常利益1億6400万円の黒字決算に。

 以後、1~3億円を超える経常利益を生み、黒字経営が続いている。

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目の前の数字を追い続ける怖さ

 RIZAPグループは、前カルビー会長兼CEO(最高経営責任者)松本晃氏をCOO(最高執行責任者)として迎え入れたが、今年の10月1日に、その職を外した。松本氏は経営不振に喘ぐ企業の度重なる買収に異を唱え「M&Aを凍結すべき」としていた。

 そのことが他の経営陣との軋轢を生み、彼の失職に繋がったと推測されている。

 結局のところ、そんな名参謀の助言が、そのまま実現してしまう形になった。

 RIZAPグループ瀬戸健会長は「人は変われる。を証明する」という経営の軸を見失い、目の前の利益を追い求め、欲に溺れてしまったように見受けられ、今日の会見に至ってしまったように見受けられて仕方が無い。

 利益を追求することは愚かなことだと、つくづく感じられる。成し遂げたい何かがあるからこそ、本物の利益が追従してくる。利益を求めたくて得た利益は、まやかしに過ぎず、泡(バブル)が弾けるように消え失せる。

 単純な利益の追従に捉われない強さを身に付けることが、多くの人間に求められる。それが恐らく、人類の理想郷への第一歩。

 

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