プライドをかなぐり捨てて、ついにフジTV自慢の月9枠が、テレビ朝日の老舗に助け舟を求めた。

トレンディドラマで一世を風靡した番組枠は、大幅な路線変更。

そして時代に潮流に乗っかる禁断の一手。

生き残りを賭け、手段を選んでいられない状況が容易に想像できる。

 

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トレース~科捜研の男~が放送

 1月7日(月)、21時からフジTV系で「トレース~科捜研の男~」が初回90分拡大枠で放映された。所謂「月9」枠として名を馳せた時間帯で、男女の恋愛に重きを置いたトレンディードラマが主流の枠であったが、そのイメージを完全に払拭する刑事モノのジャンルを置いてきた。

 前クールに放映された「SUITS/スーツ」も弁護士ミステリーをテーマにしたが、最終回視聴率が10.8%を記録し、数字の良し悪しは小生には分かりかねるが、まずまずの数字らしい。
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12156-70326/

 小生は仕事や子育てに追われる身に置いたせいか、TVドラマをほとんど観なくなった。しかし、テレビ朝日系の「相棒」や「科捜研の女」といった刑事ドラマの再放送は、その場で放映していれば何気なく見入ってしまっている。こうしたドラマは大物政治家の横領など、社会の闇を切り裂くことをテーマに置くことが多く、日頃の仕事で疲弊する小生のような社会に不満を持った層に向けたコンテンツであることは、想像に難くない。

 若者のテレビ離れが著しいと言われて止まない昨今。彼らをターゲットとしたコンテンツを作ろうにも、目立った結果を残せないことは明白である。そしてトレンディードラマを観て育ってきた世代は、今や年齢を重ね、2時間サスペンス等に興味を抱き始めた。

 月9製作陣は、世の中の需要に応えるため、シフトチェンジをせざるを得なかったのは、必然と言えよう。

 

科捜研の男は科捜研の女と忖度あり?

 トレースは元科捜研出身の方が手掛けた漫画が原作であり、テレビ朝日系の老舗「科捜研の女」とは一線を画した内容だということは、ネット上でも散見される。
https://dramaticmemory.com/kasoken-otoko-pakuri/

 ただし、内容は異なるにしても、わざわざサブタイトルを既に安定した実績を持つ他局のドラマに寄せてきたのは、明らかに意図的なものを感じる。

昨年に発表されたタイトルを見て、思わず『テレビ朝日か!』と……。実際、主演の錦戸が『大丈夫なんですか?』って言っていたくらいですから。フジテレビは明らかにテレ朝で長く続く『科捜研の女』を意識していますよね(某テレビ誌記者)

 

テレ朝のパクリでもパロディーでもなく、元科捜研研究員によるコミック原作のドラマ化なんですけど、原作のタイトルを使わずに『科捜研の男』としたからにはいろいろ言われても仕方ありませんね。

内容や見せ方はそれぞれ個性を出していくんでしょうけど、少しでも“リアル視聴率”を上乗せするためには、実績があるテレ朝的な要素を入れたがるのも仕方ないのかもしれません。各局の連ドラ枠が、そこまで追い込まれているのでしょう。

テレビコラムニスト・亀井徳明氏

 

 上記で亀井氏が述べているように「各局の連ドラ枠が、そこまで追い込まれている」との指摘が、このドラマのサブタイトルを付けるに至った全てを物語ると言えるだろう。ある程度実績のある手法にあやかり、視聴率を獲得しないと、ドラマ制作サイドの存続に関わる。

 さらには、最早テレビ朝日の「独占」状態にある刑事ドラマジャンルだが、そこに待ったをかけ、競争を促してより良いコンテンツを生み出す効果も期待できるだろう。

 とはいえ、テレビ朝日がフジテレビに対し、このようなドラマを作成したことに対し、黙って見過ごすはずがない。互いに数字を高めていこうという忖度が働いていることは間違いなかろう。今年はテレビ朝日開局60周年として、科捜研の女シリーズが年間通して放送されるということだが、フジテレビに同タイトルに対し、広告塔として働いてもらおうとする意図があって然りと見る。

 業績が悪化した企業が、強豪同士で合併をするのは日常茶飯事になってきたが、テレビ局でも同様の動きが見られてきたということだろうか。

 

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実際にまだ観ていないが

 小生は「トレース~科捜研の男~」を録画しただけで、まだ実際に観ていないが、どんな内容になっているか、楽しみにしている。

 いや、ドラマの内容云々、やはり「女」との比較が気になるところである。

 そこから導き出される制作側の裏側に潜む闇の方が、興味をそそられる。

 

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